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世界最先端アイスランドの地熱エネルギーと電力価格

最終更新: 2019年3月12日



教育関係者、人材育成担当者のみなさま、こんにちは。


何回かに渡りアイスランドの予備知識をお届けしています。

アイスランドの知り合いとここ数年メールのやり取りを進める中で、

この国の凄さが明るみになることが非常に多いです。


アイスランドは国民一人当たりのGDPは世界上位に位置しますが、

1950年代まで貧困国の分類で、その頃の主なエネルギー源は、


国産泥炭と羊の乾燥糞

エネルギー確保には非常に苦労の絶えない国でした。


第二次世界大戦でデンマークがドイツに占領されたのを機に、

アメリカとイギリスがアイスランド本島に駐留します。


1944年6月17日にアイスランド共和国として完全独立を果たし、

国際連合に加盟したのは1946年11月のことで、

その当時、アイスランドはまだまだ貧しい国でした。


(アイスランドで羊を追いかける太陽光発電ムラの谷口代表・笑)



アイスランドは最エネ推進国家へ


その後、産業の育成、成長に伴いエネルギー消費が増えていく中で、

第1次オイルショック(1973年)と第2次オイルショック(1979年)、

アイスランドは2度の石油危機を経験します。


オイルショックのピークは1980年

原油の供給が逼迫し原油価格が高騰し、多くの生活物価が高騰。

それに伴う世界の経済混乱が起こりました。


アイスランドも日本と同様、海に囲まれた島国なので、

原油の輸入には海上輸送に依存しており、陸路では運べません。


パイプラインやタンクローリーで隣国から陸上輸送できませんから、

産油国の海域が有事に見舞われるとたちまち大混乱となります。



オイルショックが起こり、OPEC諸国の国際収支黒字は、

1973年には10億ドルでしたが、1974年には約700億ドルに急増。


石油輸出国にとっては天国 石油輸入国にとっては地獄

それが1970年代のオイルショックでした。


(ヘットリスヘイディ地熱発電所)


この厳しい経験を経て、小国アイスランドは1980年代から

再生可能エネルギー発電への切り替えを推し進めていきます。


アイスランドはこれまで新たな挑戦を繰り返し、世界最先端を走り、

エネルギー政策先進国として世界からアツイ注目を浴びています。

一度見ると分かりますが、これは間違いなく世界最先端です。


ぶっちゃけ、こんなにお洒落で先進的な発電所見たこと無いです。


建物はガラス張りでまるで美術館のよう。中はおしゃれな北欧家具。

カウンターバーやお土産屋、プラント見学や地熱学習コースなど。

そして何よりも、電力と熱水供給の仕組みや技術は世界最先端。


すべてが日本の常識を覆します

(ヘットリスヘイディ地熱発電所)



11年前、初めてへットリスヘイディ地熱発電所を訪れた時、


「あなたは日本の政治家ですか?」

と、発電所のスタッフに聞かれました。

「違いますよ。なぜ?」と問い返すと、


"ヘットリスヘイディには世界中から政治家が視察にやって来る。

ここは世界最先端の再生可能エネルギーのプラントだから、

色んな国が、同様のプラントの導入を検討しているんです。

ここの心臓部である地熱タービンは、Made in Japanですよ。"


三菱重工業や東芝など、日本製タービンが大活躍です

日本の技術が世界最先端の巨大地熱プラントを支えています。



このような世界最大級の地熱発電所がアイスランド国内には5箇所。

現在では国内の電力供給の約70%を水力、約30%を地熱から得ており、

火力・原子力発電所は一切皆無。また建設する予定も一切ありません。


参考記事:

男女平等8年連続世界1位、進化するアイスランド女性の社会進出

世界最先端アイスランドの地熱エネルギーと電力価格

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日本は原子力推進国家へ


それに対して、同じオイルショックを経験した日本はどうか?


2009年9月22日、当時の内閣総理大臣鳩山由紀夫が、

国連気候変動首脳会合での演説にて、


二酸化炭素の25%排出削減を含む「鳩山イニシアチブ」を

日本の国際公約として声明を出しました。


「鳩山イニシアチブ」は温暖化対策として原子力発電の促進を行い、

二酸化炭素の排出が少ない原子力エネルギーは、

日本の電力需要を満たすキーであることを鳩山は認めました。



アイスランドと日本には大きな共通点があります


両国とも、石油の採れない島国であり、火山国、漁業大国、地震大国、

地熱大国、プレート地帯、温泉大国、世界地図の端っこ。などなど。


両国とも経済大混乱の1980年のオイルショックを経験しましたが、

その後向かった方向は大きく明暗を分けました。


一方は原子力事故の後処理を、100年も200年も次の世代が

引きずらなくてはいけない大きな負債を背負い。


一方は安心安全な地熱エネルギーを、欧州・中東・北アフリカまで

輸出するという、パン・ヨーロッパ・スーパーグリッド計画の主人公に。


(Pan-European super grid/wikipedia)


アイスランドは、2050年までには化石燃料に頼らない

水素エネルギー社会を確立することを国家戦略としており、

燃料電池自動車のバスの運行、水素ガス供給ステーションなどの

建設を進めています。


アイスランドは、大西洋中央海嶺が海上に突き出た島として、

およそ 1,000 万年前に生成された比較的新しい島です。


北海道と四国を合わせた面積に相当し、200箇所以上の火山を抱え、

国全体がマグマの上にある火山の島、地熱エネルギーの国です。


一方、頻発する火山噴火への備えが国の安全保障の基本であり、

活火山から離れた南西部に位置する首都レイキャビク市と

その周辺に人口の半数以上が集結しています。


豊富なエネルギー源を持つ地熱エネルギー 欧州最大の氷河ヴァトナヨークトルの溶解水

これらのエネルギーを徹底的に利用した再生エネルギー発電所を、

アイスランド政府はいま増強しています。



アイスランド政府はこれらの安心安全な低電力コストを武器に、

アルミニウム精錬など電力多消費産業の誘致に成功しました。

アルミニウム精錬はいまやアイスランドを代表する産業です。


アイスランドのアルミニウム精錬は、

Rio Tinto Alcan、Century Aluminumなどがありますが、

これらの工場新設に対応して、政府が新発電所を稼働させる。


というくらい、国にとって大事な産業です。

これらの製品のほとんどがアイスランドから輸出されることから、

アイスランドの電力が工業製品という形で輸出されていると言えます。



ちなみにアイスランドの電力販売市場は完全自由化です。


すべて消費者との電力会社との個別売買契約で成り立ち、

電力の公定価格は存在しないため、その実態把握は困難ですが、

一般家庭の電気料金はEU平均の約4分の1程度と言われています。


電力多消費産業などの大口契約はもっと安く契約されています。



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