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習近平総書記が世界に向けて発信した低炭素都市「鎮江モデル」

最終更新: 2019年3月12日



教育関係者、人材育成担当者のみなさま、こんにちは。


中国江蘇省の鎮江市(Zhenjiang)という都市をご存知ですか?

もしご存知なければ、今後ぜひウォッチしたほうが良いかと思います。

上海から揚子江を内陸に約300km、新幹線で約1時間30分の場所。


ここは、習近平総書記が2015年12月の気候変動パリ会議で発表した、

低炭素都市プロジェクト「鎮江モデル」が推し進められている都市。


僕は発表したその翌年、2016年8月に初めて鎮江市を訪問しました。

訪問したきっかけとなったのは、友人の鎮江出身の大学教授から、


鎮江の新しい経済モデルが面白い、一度一緒に行こう

経済学部の教授からそう言われたことが、そもそものきっかけです。



その大学教授の友人をはじめ、鎮江市長や人民政府の幹部の方々、

そのほかにもいくつかの経済開発区局長や企業の社長などとお会いし、

その「鎮江モデル」というものをとくと拝見させていただきました。


それからというもの、たくさんある中国新型地方都市の中でも特に、

この街のビジョンや景観の美しさ、人々の親日ぷりに魅せられて、

もうかれこれ5回ほど訪れて、たくさんの意見交換をしています。



鎮江市は江蘇省南部に位置し、成長する揚子江デルタ地域の中心都市。

面積は3848平方メートル。人口は317万人。


埼玉県ほどの面積の中に、丹陽、句容、揚中(以上郡レベル3都市)、

丹徒、京口、潤州、鎮江新区(以上区レベル4都市)計7地域を管轄。

これら7地域すべてに独自の特徴を持ちます。



この地図(wikipediaより)は少し古く、鎮江新区が載っていませんが、

鎮江新区は、揚中と京口の間あたりになります。



鎮江市の強みのひとつは立地


鎮江港は、東西に繋がる揚子江と南北に繋がる京杭大運河の十字路。

中国では古くから水上交通の要で、商業都市として栄えてきました。

中国の9省に水上交通でアクセスできる要衝であると言われています。


鎮江の古くからの名の由来は、「川を鎮める」という意味です。


周辺は揚子江デルタの22都市に囲まれた巨大な市場ニーズがあり、

最近は外国企業向けのインセンティブを多数設け、企業誘致が進み、

経済開発特区などが急ピッチで整備されていきました。



そんな背景もあって、鎮江港の年間処理能力は1億トンを超え、

東西南北からやってきた5万トンの貨物船を停泊することができます。


陸路は、鉄道は5本、高速道路は4本が鎮江市を抜け通り、

中国の南北を結ぶ巨大な連絡橋、揚子江大橋があります。

中国の北と南をつなぐ、重要な架け橋でもあります。


空路は、周辺に5つの空港があり、車で1時間以内でアクセス可能。

また、鎮江の新飛行場は鎮江新区にほど近い位置に建設、認可され、

現在はビジネスジェット専用空港として稼働しています。



鎮江市の日本との深いつながり


鎮江は三国(魏呉蜀)時代には、呉の孫権が都を置いた場所として

知られていますので、呉服(和服)のルーツとしても語られています。


また、遣唐使時代には、空海や阿倍仲麻呂も鎮江を訪れました。


日本人として初めて科挙制度(当時の中国国家公務員試験)を受け

皇帝に多大なる貢献をした阿倍仲麻呂は、鎮江の揚子江沿岸部に、

その栄誉を称える記念碑が建てられています。(以下の写真)



また空海は、鎮江市中心部にある歴史ある寺「金山寺」を訪れ、

ここから政治や医療などを学び、日本に持ち帰ったと言います。


あの有名な金山寺味噌は、空海がここから持ち帰ったお味噌で、

それが平安時代に日本で広まっていきました。


参考記事:足摺岬と空海(弘法大師)のお話

「インバウンド戦略は体験型観光をいかにたくさん生み出すか?その2」


だから飛鳥時代以降、日本と鎮江の歴史的関係はとても深いですし、

鎮江市政府の幹部や企業人は、日本語ペラペラの人がとても多く、

親日意識が非常に高いのです。


ちなみに鎮江市政府の方々に、なぜそんなに日本語が上手なのかと聞くと


日本語を話せると出世コースだ

と言います。日本語を話せるのがエリートなのだそうです。



鎮江市は新産業育成都市


近年、経済発展と重工業産業の進展に伴い環境が悪化する中国では、

2010年より「国家級低炭素都市プロジェクト」が展開されています。


2012年からは「第二次低炭素省区および都市パイロットプロジェクト」

として、中国国内の26都市が選ばれスタートしました。


その中でいま世界から最も注目が集まるのが、習近平総書記が

気候変動パリ国際会議で発表した「江蘇省鎮江市」というわけです。


「鎮江モデル」と称されたこのパイロットプロジェクトは、

再生可能エネルギーを軸として、自動車関連部品やメガネ・新素材、

造船などの製造業、医薬品、IT・AI、高度人材育成、新農業開発等、

様々な事業分野を経済政策の柱とし外国企業との連携を進めています。



再生可能エネルギーは電力多消費産業を中心に様々な産業が育ちます。

再生可能エネルギーを軸として立てて成長してきた国の代表格は、


「アイスランド」それはもうカッコよすぎ!

アイスランドの再生可能エネルギーは天候に左右されない地熱推進。

これは紛れもなく、世界最先端を突っ走っています。


参考記事「世界最先端アイスランドの地熱エネルギーと電力価格」


以下の写真は、スイス企業と鎮江市政府との地熱実証実験です。

地熱タービン世界シェア7割も持つ日本ではなくて、スイスです。


ここでなぜ、日本ではなくスイスが選ばれるのか?

我々日本人は屈辱と危機感を持たなくてはいけません。



現在のところは、スイス、イタリア、ドイツ、フランスなど、

欧州との連携が強いですが、鎮江市としては技術力やアイデア豊富な、

日本企業との協力関係を強く模索しています。


最近では政府の優遇策を受け、スイス企業が地熱実証実験をやったり、

イタリア企業が農業開発区を作ったり、話題を集めています。


しかし残念ながら、日本企業はほとんど出ていないという状況です。

でもまだ「鎮江モデル」は始まったばかりです。これからです。




鎮江という都市の歴史背景や、目指す方向など日本人は誰も知らず、

そして実際知っていたとしても、まだほとんど誰も動いてませんが、


日本は結構な期待を背負っています(笑)

鎮江に行くと、市長や人民政府幹部交えて、いつもこんな感じです。

なぜなら、僕が色んなアイデアをどんどん彼らに伝えているから、

色んな相談事や意見交換会などが、その都度開催されるのです。


これがいわゆる、Citizen 2 Govermnent、越境3.0というわけですね。



現在のところ、鎮江市は中国政府から以下の賞を受賞しています。


【受賞歴】

・国家歴史文化都市

・中国優秀観光都市

・中国文明都市

・国家生態系先行モデル区

・国家森林都市

・中国科学技術進歩先進都市

・国家庭園都市

・国家環境保護模範都市

・中国治安総合優秀都市

・中国民間経済研究会「中国起業の街」

・中国都市総合競争力トップ100の一つ

・中国最も安全な都市トップ3の一つ

・中国都市スポンジアーバンパイロット



鎮江市は多様性溢れる起業家育成の街


2015年、地方GDPは3502億人民元で前期比9.6%の経済成長。

1人あたり平均地方GDPは110,351人民元、


国家財政収入は302億人民元、固定資産投資額2541人民元。

消費小売総額は1113億人民元、前期比11%の成長となりました。


この背景にあるのが、これまでお話しました、

「鎮江モデル」を軸に据えた、積極的な外国企業の進出です。



鎮江市は世界5大陸から12カ国16都市と戦略的姉妹都市が締結され、

米誌フォーブスの世界トップ企業500のうち46社が拠点を置いています。


サービス業、アウトソーシング企業などは累計登録505社に達し、

従業員は5万5千人、ここ数年で一気に「外国人の街」となりました。


こういった国際ビジネス都市を推し進めていく背景の中で、


起業家育成や人材教育にも積極的です


もともと鎮江市は、大学の数は南京市に次いで江蘇省で第2位。

江蘇大学、江蘇科技大学など5つの大学を有し、在学生は10万人以上。


国家特待生である国家ミレニアムプランと江蘇省起業革新プランの

在学生は合わせて130人を超えました。国家招待で外国人材を招きます。


まさに阿倍仲麻呂の大量生産(笑)

また、そういった人材からさらに高度な企業人を育成するため、

国家と省級の鎮江科学技術インキュベーターは30箇所を超えます。


鎮江市内の全インキュベーターの面積は350万平方メートルあり、

中国では国内初となる中小企業育成プラットフォームを建設。



また、インフラだけではなく制度面も積極的な展開しています。


鎮江市人民政府は、「第20箇条高度人材育成優遇政策」を策定し、

150万RMBの人材招聘手当に加えて、5000万RMBの中小企業融資、

最高100%の子ども学費手当などを支払います。


鎮江市人民政府が展開するこれらの人材や起業家育成に関しては、

中国国内でももっとも先進的な制度を有していると言われています。


以下の写真の鎮江国家高新区(ハイテクノロジーパーク)は、

なんと小学生の授業で、全員3Dプリンタを使うという凄さ。


これじゃ日本、負けますね


とにかく、壮大なビジョンを描く鎮江モデルの江蘇省鎮江市。

今年も6月6日〜9日の4日間で、第4回目となる、


江蘇省鎮江市人民政府公式! 越境3.0民間外交団開催決定!

鎮江市人民政府幹部や企業経営者たちと、色々な意見交換会や交流会、

そしてプロジェクトや事業提案などを政府に直接プレゼンします。

色んな種類の経済特区視察や企業視察なども行います。


関心がある方はぜひ日程空けておいてください。詳細後日発表します。



大事なお知らせ


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Go mission Iceland! 2019年5月21日(火)~5月26日(日) 6日間

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